INTRODUCTION

あらゆる世代の女性たちの共感を集め
本国で20万人以上を動員する
大ヒットを記録!
2017年3月、大阪アジアン映画祭でプレミア上映され観客賞を受賞、香港から出品されたカンフーアクションでもフィルムノワールでもない無名の監督によるドラマが、「とんでもない傑作だった」という賛辞がSNSのタイムラインに溢れることになります。その映画の名は『29歳問題』。
その後、本国で公開されるや、興行ベストテンに7週連続ランクイン、20万人以上を動員するサプライズヒットを記録、2017年を代表する一本となりました。
同じ一つ歳を重ねるのでも、29歳から30歳になるのが特別な意味を持つ、というのは万国共通?オフィスコメディの軽妙さで幕を開ける本作は、次第に悩み多きヒロインの心情に寄り添い、思いがけない展開に涙するラストは、同世代の女性客のみならず、あらゆる世代の圧倒的共感を呼び起こしました。 閉じる
キャリアなクリスティと、
夢見がちなティンロ。
一冊の日記が、
29歳の2人を結びつける…
2005年、香港。30歳を目前に控えたクリスティ。勤め先の化粧品会社では働きぶりが評価されて昇進、長年付き合っている彼氏もいて、周囲も羨むほど充実した日々を送っている。
が、実のところ、仕事のプレッシャーはキツいし、彼氏とはすれ違いがち、実家の父親に認知症の症状が出始めたのも気がかりだ。そんなある日、住み慣れたアパートの部屋が家主によって売却され、退去を言い渡されてしまう。
とりあえず見つけた部屋は、住人がパリ旅行に行っている間だけの仮住まい。エッフェル塔をかたどった壁一面のポラロイド写真や、女の子らしい小物でいっぱいのその部屋で、クリスティはそこに住んでいるティンロという女性の日記を見つける。偶然にも誕生日が同じだと分かって、部屋の主に俄然興味を持ち始めたクリスティは、そこに書かれているティンロのささやかな日常に知らず知らずのうち惹かれていく… 閉じる
ロングランヒットの舞台劇を
監督自ら映画化。
注目の女性監督キーレン・パン!
香港を代表する女性クロスメディア・クリエーター、キーレン・パン。 2005年に初演され、その後13年間に渡り 再演され続けている、彼女が作、演出、主演(二役)を手掛ける舞台劇「29+1」を自ら脚色し、初監督。ヒロイン二人の心のひだを繊細に描くのはもちろん、全編にチャーミングな仕掛けを凝らし、伏線を鮮やかに回収していく手腕と才能は驚きを持って受け入られ、内外で高く評価されて数多くの映画賞を受賞、香港金像奨でも7部門でノミネート、受賞が有力視されています。 閉じる
香港明星たちへの
愛情たっぷりのオマージュが随所に!
本作のもうひとつの魅力は、全編に散りばめられた香港映画への愛情たっぷりのオマージュ。クリスティとティンロを結ぶ品となるのは、ウォン・カーウァイ監督の直筆サイン入り『花様年華』のポスター。ティンロはレスリー・チャンの大ファンで、レスリーが出演したドラマ『日没のパリ』に魅せられてパリに旅行するのを夢に見ます。他にも人気グループBEYOND、レオン・ライなど、香港エンタメファンにはたまらないネタが随所に。そして極めつけはエンディング曲! レスリー・チャンが歌うバラード「由零開始(ゼロから開始)」は涙なくして聴けません。 閉じる

STORY

場面写真

2005年、香港。
化粧品会社に勤めるクリスティ(クリッシー・チャウ)は、あと1カ月で30歳を迎えようとしていた。
仕事にやりがいを感じているし、長年付き合っている恋人チーホウ(ベン・ヨン)もいて、公私ともに順風満帆のつもり。ただ、気になるのは彼との会話の中で「結婚」というワードが出ると、微妙な空気になること。そして、もうひとつの気がかりは、認知症の症状が出始めた実家の父の存在。昼夜を問わず「食事を用意して待っているから帰ってこい!」と電話で怒鳴られ、頭を悩ませている。

場面写真

ある日、日頃の働きぶりを評価され、晴れて部長に昇進。気合いを入れて日々邁進していくが、部長となってからの日々はそれまでと比べものにならないくらいストレスも多く、日に日に心に余裕がなくなっていく…。久しぶりに会ったチーホウとも、ささいなことで口論になり最悪な雰囲気に。それに加え、父からの電話も格段に増え、煩わしさを隠せなくなった。挙げ句の果てに、大家から告げられた突然の退去勧告!
まさに踏んだり蹴ったりな状況に追い込まれたクリスティは、大家に紹介された部屋をとりあえず1か月間、間借りすることになった。

場面写真

仮住まい先となったのは、大家の甥の友人であるティンロ(ジョイス・チェン)という女性が暮らしている部屋。パリ旅行に出かけたという彼女の部屋にあった“自伝風の日記”から、ティンロと自分が同じ日に生まれていたことを知る。不思議なシンパシーを感じながら、自分の人生とは全く違う道を歩んできた彼女のこれまでの日々を垣間見るクリスティ。辛いことがあっても笑顔で乗り越え、大好きな映画や音楽、温かな人々に囲まれて自由に暮らす彼女の日常は、クリスティの眼には新鮮に映り・・・。

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CAST

  • クリッシー・チャウ
  • ジョイス・チェン
  • ベビージョン・チョイ
  • ベン・ヨン
  • ジャン・ラム
  • エレイン・ジン
  • エリック・コット

STAFF

監督・脚本:キーレン・パン(彭秀慧)
監督・脚本:キーレン・パン(彭秀慧)

1975年2月11日香港生まれ。香港で最も有名な舞台女優で舞台演出家。クロスメディア・クリエーター、作家、脚本家としても活躍。名門芸術大学である香港演芸学院・表演学科を卒業。1988年に香港で最も古い歴史を持つ商業劇団 中英劇団の専属俳優となり、舞台演出、作曲、振付、プロデューサーなどを務める。2003年退団。2004年に香港戯劇協会の奨学金でパリの演劇学校スタジオ・マジュニアで学ぶ。2005年、舞台芸術と文化の普及のために香港にキーレン・パンプロダクションズを設立して数々の舞台を手掛ける。2005年に発表した制作、脚本、主演を兼ねた初めての一人芝居『29+1』は高い評価を得て、2013年までに6回の再演を行っている。2010年には一人芝居『再見不再見』で香港戯劇協会舞台劇奨最優秀主演女優賞を受賞した。2006年、パン・ホーチョン脚本・監督の映画『イザベラ』(ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞)の脚本を共同執筆して、映画界と繋がる。同作のノベライズ本も執筆した。2017年、自作の芝居『29+1』を映画化(邦題:29歳問題)して監督デビュー。ニース国際映画祭2017で外国語映画最優秀監督賞を受賞した。また、2011年には公共放送の香港電台と香港戯劇協会により「この20年間最もインプレッシブな女優」に選出。2014年には国際青年商会香港総会が優れた若者を表彰する「香港十大傑出青年」に選ばれている。
映画の大ヒットにより、2018年3月から4月にかけて、一人芝居『29+1』の再演が決まった。

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撮影:ジェイソン・クワン(關智耀)

アンディ・ラウやパン・ホーチョン作品を多数手掛けている撮影監督で映画監督。1983年から6年間、香港のケーブル局TVBでカメラマンとして働いたのち、日本の東京写真専門学校に留学して映画撮影を学ぶ。卒業後、香港サロンフィルムズで撮影指導を担当。2000年からCM業界で活動のほか、政府広報、ミュージックビデオの制作にも参加する。2001年、アメリカの国際映画祭の広告部門で最優秀撮影賞を受賞。2004年にはマレーシア映画史上最大の製作費をかけた歴史大作『Puteri Gunung Ledang』(日本未公開)の撮影を担当。その後、香港映画界で活躍。その腕は高く評価されており、香港電影金像奨撮影賞に『コールド・ウォー 香港警察 堕ちた正義』(16)などの作品で4度ノミネートされている。2017年にパン・ホーチョン制作の『指甲刀人魔』(日本未公開)で初監督を務める。同年9月にはバリー・ウォンと共同監督した『追龍』が公開されて中国で大ヒットとなった。

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音楽:アラン・ウォン(黃艾倫) ジャネット・ヨン(翁瑋盈)

これまでコンビで数々の映画や舞台、CMのサウンドトラックを制作している作曲家。ユニバーサル・ミュージックとレコードアレンジャー、プロデューサーとして契約をしている。2012年の『恋の紫煙2』のサントラは香港 IFPI(レコード協会)ベストセラー・サントラアルバムと華語金曲獎最優秀映画音楽ベスト5に選出された。キーレン・パン監督の舞台『再見不再見』『29+1』『月球下的人』『Tiffany』などの音楽監督や作曲も担当している。

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クリッシー・チャウ

クリッシー・チャウ

1985年5月22日中国広東省生まれ。香港でセクシー女神と呼ばれるグラビアモデルで女優。アンジェラ・ベイビーと香港では人気を二分する存在である。音楽、映画、広告の世界に進出して全て成功を収め、その人気ぶりは「クリッシー現象」と呼ばれている。10歳の時に家族で広東省から香港へ移住。香港聖マーガレット女書院を卒業したあと、銅鑼湾にあるショッピングモール金百利商場で営業経理の仕事に就く。2005年に芸能界入りしてトップモデルとなる。2009年7月に発売したフォトアルバム「Kissy Chrissie」は大ヒットセールスを記録した。2 0 1 0 年8月発売のセカンド写真集「L e s V a c a n c e sd’Amour」で日本に進出。来日して下北沢で発売記念イベントを行った。また、2009年から3年連続で、モデルとして「東京ガールズコレクション」のステージに立った。2012年にはCDアルバム『淘女郎狂熱』で歌手デビューする。映画デビューは2006年の『ラブ・アンダーカバー3』でモデル役を演じた。人気が沸騰した2010年からは映画で主役を張るようになる。2013年には中国のTVシリーズ『X Girl』に主演。これまでに香港と中国で50本以上の映画出演作があり、グラドルから人気女優へと躍進した。

ジョイス・チェン

ジョイス・チェン

1987年5月30日カナダのバンクーバー生まれ。「肥姐」の愛称で親しまれている香港の人気歌手で女優。大学はカナダのブリティッシュコロンビア大学、クイーンズ大学、ライアソン大学に通った。父親は『蜀山奇傅 天空の剣』(83)などに出演の名優アダム・チェン、母親は『ドラゴン酔太極拳』(84)の女デブゴン役が有名なタレントのリディア・サム。ジョイスの生後8か月で両親は離婚したため、母親が一人で育てた。子供時代から母親と共に香港のテレビやラジオに出演して、一緒に童謡を歌って、コーラスをしていた。2008年に母親が亡くなったあと、TVドラマ『畢打自己人』で俳優デビュー。2011年1月にソロアルバム『有故事的人』でレコードデビュー。同年11月にセカンドアルバム『故事的配角』を発売。その年の音楽賞で新人賞、優秀賞を受賞して人気歌手となる。最初の映画出演はチャウ・シンチー主演の『最佳女婿』(88・日本未公開)で、生まれたての赤ん坊役だった。本格的な出演は、2010年旧正月のオールスター映画『72家租客』。以後、旧正月映画に度々出演する。2016年は目覚ましい活躍で『I Girl夢情人』でクリッシー・チャウとアンドロイド役をコミカルに演じ、『スペシャル・フォース 特殊機動部隊』でアクションに挑戦、『映画ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』の広東語版で渡辺直美が声をあてたブラジル人ジュリアの声を吹替えるなど、役の幅を広げた。いま、歌手としても俳優としても、乗りに乗っている。

ベビージョン・チョイ

ベビージョン・チョイ

1986年12月8日香港生まれ。2009年、名門芸術大学である香港演芸学院・舞台芸術学科を卒業。在学中に舞台『雲雀』と『例外與常規』で二度、優秀俳優賞を受賞している。2010年には舞台『只有香如故』で第2回小劇場俳優賞にノミネートされる。卒業後はキーレン・パン監督も在籍していた中英劇団に入団して、演劇キャストとして2010年から11年にかけて活躍をした。最初の映画出演は2008年の『内衣少女』の同僚役。2013年、ダンスに青春をかける若者を描いた『狂舞派』で主役の一人を演じて、第33回香港電影金像奨の最優秀新人賞を受賞。2017年は『29歳問題』のホンミン役のほかに『霊幻道士 こちらキョンシー退治局』で美少女キョンシーと恋に落ちる見習いゴーストバスター、『ショックウェーブ』では悲劇の人質、『西謊極落之太爆太子太空艙』でAV売りのチンピラ、TVドラマ『老表,畢業喇!』では変な訛りのある富豪の息子を演じて、振り幅の広さを見せた。香港若手俳優の注目株である。

ベン・ヨン

ベン・ヨン

1981年 10月13日香港生まれ。ダンサーで俳優、ダンスボーカルユニット Bro5(兄弟伍)のメンバー。15歳の時からダンスを学び、17歳の時にオープンハイスクール・ダンスコンクールで最優秀ダンサー賞を受賞する。その後、香港のポップス歌手サンディー・ラムのツアーの主要ダンサーとしてアジアを回る。その縁でシンガポールの国民的歌手ディック・リーと出会い、シンガポールに留まる。2000年に香港映画『偷吻』で主人公の友人役を演じて俳優デビュー。同年、男性4人組のダンスボーカルユニット Bro5を結成。大手レコード会社英皇と契約して、デビューシングル『第一歩』をシンガポールで発売。しかし、ヒットには恵まれず2002年に英皇から解約されてしまう。その後、自分の音楽を発展させるためにドラムの勉強を始めて、パートタイムのドラマーになる。2 0 0 6 年、アンディ・ラウ製作『LOVE STORY』とフランシス・ン主演『茶舞』という香港絡みのシンガポール映画に出演後、再起を図るために香港へ戻る。2011年、Bro5のミニアルバム『太陽風暴』で香港デビュー。2013年、Bro5が世界の中国広東語歌手コンテストに出場して準優勝を獲得。その後、タイ、日本、韓国、マレーシア、ドイツで公演を行った。2017年、『29歳問題』のチーホウ役が評価されて、芸能生活17年目にして改めて注目された。これからの活躍が期待される。

ジャン・ラム

ジャン・ラム

1967年1月28日 香港生まれ。DJ、シンガー、映画監督、俳優、作家、デザイナーの肩書を持つマルチアーティスト。本作に出演しているエリック・コットと軟硬天師というラップ・デュオを組んでおり、1994年に発売されたアルバム『オレたちゃ香港人(廣播道軟硬殺人事件)』は香港でミリオンセラーになり、日本でもヒットした。1995年から96年にかけて、監督・主演『天空小説』、エリック・コット共同監督の『四面夏娃』、監督・出演の『廢話小説』という3本の映画監督作を発表するが、その後は俳優の活動が中心となる。2007年には香港商業電台が制作した『東京タワー〜オカンとボクと、時々、オトン〜』のリメイクドラマ『東京鐵塔:我的母親父親』(日本未放送)に主演した。最近は人気アニメ映画『マクダル』の声やアメリカ映画『カーズ』、日本映画『ハンサム★スーツ』の広東語版など、声優の仕事も多い。

エレイン・ジン

エレイン・ジン

1954年11月30日台湾生まれ。香港と台湾で活躍する有名な女優で歌手。1970年に台北の音楽コンテストで準優勝して、プロ歌手として活動する。1973年に香港へ行き、ロイ・ケイ監督の官能映画『女人面面観』(日本未公開)に出演して話題となる。以降は女優として活動。1976年に結婚を機にイギリスへ移住。その後も香港と台湾の映画界で活躍。1985年にはスタンリー・クワン監督の『地下情 追いつめられた殺意』で、86年にはイー・トンシン監督の『野獣たちの掟』で2年連続の香港電影金像獎最優秀女優賞を受賞している。これまでに金像獎で4度、台湾電影金馬獎で2度の最優秀女優賞を受賞。国際的に評価されている監督の作品に多数出演しており、名実ともにアジア圏を代表する女優である。近年は中国の映画やドラマにも出演している。

エリック・コット

エリック・コット

1966年12月30日 香港生まれ。DJ、映画監督、俳優、デザイナー。ジャン・ラムと共にラップ・ユニット 軟硬天師として活動。1994年に映画『ぼくたちはここにいる』で主役のひとりを演じて、香港金像奨最優秀助演男優賞を獲得。監督作品にジャン・ラム共同監督の『四面夏娃』(96・日本未公開)、ウォン・カーウァイ製作、金城武主演の『初恋』(98)、有名人が多数出演のロードムービー『ドラゴンヒート』(99)がある。2000年代は俳優と声優の活動が増えたが、2007年にアイドル追っかけ女子の恋を描いた『甜心粉絲王』(日本未公開)で久々に監督にカムバックした。『29歳問題』ではタクシー運転手を演じているが、役の神秘性を維持したいというエリックの希望で、本作に出演していることは公開まで秘密にされ、映画のキャンペーンには一切参加しなかった。